楠原竜也


楠原竜也

振付家・ダンサー

メッセージ


『「身体表現あそび」を通して子どもたちにイキイキしてもらいたい』

 私は普段東京で暮らしています。東京近郊の子どもたちは、直接大きな被害を受けているわけではありませんが、繰り返される不安をあおりたてる報道と、不安そうなまわりの大人の反応を繰り返し目にすることで、不安な気持ちが強くなっています。それを考えると被災地の子どもたちの心への影響ははかりしれないものがあると思います。
 何よりも最初に子どもたちにとって必要なことは、日常の規則正しい生活を取り戻すことであり、その規則正しい生活、正しい睡眠と正しいスケジュールに沿った生活を送れるようにと、日々さまざまな方々からの支援が続けられています。けれども、震災後の時間の経過によって求められる支援の方法は刻々と変化していくと言われています。被災地で実際に子どもたちと触れ合っている大人たちは子どもたちの微妙な変化を肌で感じ、今何が必要かを敏感に察知していることと思います。すでに各地で行われてはいますが、「遊び」というものが子どもたちにとって大きな影響をもたらしてくれるのではないかと私は考えています。特に、小さい子どもたちは、遊んでいくうちに気持ちが整理されていくこともあります。また、話しを聞いても何も離そうとしなかった子どもが、遊びをきっかけで話しをするようになる場合もあると言われています。遊びは、子どもにとって、自分の気持ちを表現し、自分の気持ちに向き合い整理していくことの助けになると思っています。
 子どもたちとの表現活動をしている自分だからこそできること、それは、子どもたちと一緒に身体を通して遊ぶこと、ダンスや演劇的な方法を活かして「身体表現あそび」をすることだと改めて思いました。そして、子どもたちの自然な表現方法である遊びを通して、子どもたちが自分の気持ちや考えを表現し、気持ちの整理や体験の対処方法をつかみとってもらえたらと願います。
 被災する前の子どもたちを知っている現地の先生方や大人たちと相談しながら、それぞれの子どもたちに合った遊びを一緒に行っていきたいと考えています。そして、私が帰京した後も、引き続き先生方や子どもたち自らがその遊びをできるようにしたいと思います。
 また、地元を離れ、避難所など、新しい環境のもと新しい人々と出会って生活している子どもたちも数多くいることでしょう。子どもたちは誰とでもすぐに友だちになると言われていますが、予期せぬことの中ではそれも簡単なことではないと思います。身体をめいっぱい使って動いたり他者と触れ合ったりすることで、知らないうちに打ち解けていきながら、仲間と共有することの楽しさなどを知ることにもつながってもらいたいと考えています。
 共に遊び、寄り添う活動の中で、子どもたち自身がさまざまなことを自己解決していく力を回復する手助けができたらと切に願っています。
 お力になれたら大変嬉しいです。

楠原竜也

こんなことが出来る、こんなことをしたい:


上記にも述べさせていただきましたが、
 子どもたちと一緒に身体を通して遊ぶこと、ダンスや演劇的な手法を活かして「身体表現あそび」をすることを考えています。
 「身体表現あそび」を通して、自分の五感の再発見、身体を使って表現することの楽しさ、イメージすることの楽しさ、仲間と共有することの楽しさ等を体験してもらえたらと思います。
 まずは、みんなそれぞれがもっている素敵な遊び道具である「自分のからだ」をめいっぱい使って遊んでみます。そして、自分や他人のからだで遊んだあとは、いろんな場所やものも使って遊んでみたりします。
 被災する前の子どもたちを知っている現地の先生方や大人たちと相談しながら、それぞれの子どもたちに合った遊びを一緒に行っていきたいと考えています。そして、私が帰京した後も、引き続き先生方や子どもたち自らでその遊びをできるようにもしたいと思います。

可能な時期 
2011年5月上旬から7月末まで
2011年9月上旬
2012年12月下旬から3月末まで

これまでの公演以外のアウトリーチ、学校や福祉施設でのワークショップの経験:


2006年
世田谷パブリックシアター 『三茶であそぼ!!』 小学生のためのダンスWS
世田谷美術館 中学・高校生向けWS『誰もいない美術館で』 WS・公演
2006年-
世田谷パブリックシアター 『土曜劇場プレイパーク』 劇場見学者対象のWS
2007年
NPO法人 芸術家と子どもたち(ASIAS) 江東区立第二大島小学校 三年生 「図工+身体表現」
世田谷パブリックシアター 『三茶でおどろ!~コンテンポラリーなおまつりダンス~』 小学生WS・発表
世田谷区立太子堂小学校 BOPでの身体表現WS
国立新美術館 スキン+ボーンズ展 ボーンズ編WS『からだを遊ぶ!』 小学生のための身体表現WS
財団法人地域創造 公共ホール現代ダンス活性化事業 福島県南相馬市民文化会館・富士見市市民文化会館キラリ☆ふじみ公演、WS、アウトリーチ(心身障害児者施設・特別養護老人ホーム・幼稚園・高等学校)アシスタント
世田谷パブリックシアター@スクール『はじけよう!おまつりさわぎクレイジーダンス』 小学生WS・公演
NPO法人 芸術家と子どもたち(ASIAS) 板橋区立蓮根小学校 六年生 「図工+身体表現」
2009年 横浜開港150周年記念事業 DO-RA-MA YOKOHAMA150 本公演に向けてのWS 青少年・一般クラス
2007年-2010年
江東区立第二大島小学校 四年生 「図工+身体表現」
2008年
横浜市芸術文化教育プログラム推進事業 横浜市立南神大寺小学校 三年生 「図工+国語+身体表現」(最終回授業参観発表) 四年生 「身体表現」
NPO法人 芸術家と子どもたち(ASIAS) 西巣鴨第三保育園 五歳児 六歳児クラス
2009年
子ども劇場首都圏ツアー ワークショップ『にんぎょひめ』の世界へようこそ!
東京文化発信プロジェクト パフォーマンスキッズ・トーキョー@豊島区立長崎小学校 六年生
2009年—
座・高円寺 「みんなの作業場」 子ども向けWS
広告製版社 するところ 親子向けWS
2010年
東京文化発信プロジェクト パフォーマンスキッズ・トーキョー in 保谷こもれびホール
財団法人地域創造 公共ホール現代ダンス活性化事業 調布市せんがわ劇場 公募WS、アウトリーチ(調布市立仙川保育園 五歳児 六歳児クラス・緑ヶ丘小学校 三年生・第六中学校)
NPO法人 芸術家と子どもたち(ASIAS) 池袋第二保育園 五歳児クラス
『旅とあいつとおひめさま』アウトリーチ 杉並区小学生 宮城県中学生 北海道中学生
2010年—
NPO法人 子ども劇場東京都協議会 思春期世代コミュニケーションワークショップ
2011年
横浜市芸術文化教育プラットフォーム 学校プログラム 横浜市立白根小学校 四年生 「身体表現」
東京文化発信プロジェクト パフォーマンスキッズ・トーキョー@目黒区立宮前小学校 二年生
財団法人地域創造 公共ホール現代ダンス活性化事業 パトリア日田 公募WS、アウトリーチ(咸宜小学校 三年生)

これまでの被災地との関係:

●2005年に、テレーサ・ルドヴィコ演出『雪の女王』(原作:H.C.アンデルセン/制作:世田谷パブリックシアター)で公演を、また、2007年に、財団法人地域創造 公共ホール現代ダンス活性化事業で 福島県南相馬市民文化会館(ゆめはっと)で、公演、ワークショップ、アウトリーチをさせていただきました。
●2006年に、テレーサ・ルドヴィコ演出『雪の女王』(原作:H.C.アンデルセン/制作:世田谷パブリックシアター)、2009年に、テレーサ・ルドヴィコ演出『旅とあいつとお姫さま』(原作:H.C.アンデルセン「旅の道づれ」・ノルウェーの昔話「旅の仲間」/制作:座・高円寺)で、盛岡市都南文化会館(キャラホール)で公演をさせていただきました。
●2010年に、テレーサ・ルドヴィコ演出『旅とあいつとお姫さま』(原作:H.C.アンデルセン「旅の道づれ」・ノルウェーの昔話「旅の仲間」/制作:座・高円寺)で、仙南芸術文化センター(えずこホール)でワークショップと公演をさせていただきました。

略歴、リンクなど

楠原竜也(くすはらたつや)
振付家・ダンサー。玉川大学文学部芸術学科演劇専攻卒業。在学中にロンドン・ラバンセンターに留学。2002年「APE」を結成・主宰。『多くの方にHAPPYを届ける』をテーマに、国籍・年齢・性別を問わず、多くの人々に楽しんでもらえる作品を創作、国内外にて公演を行う。2005年よりテレーサ・ルドヴィコ(イタリア)演出『雪の女王』、『にんぎょひめ』、『旅とあいつとお姫さま』に出演し、俳優としても活動する。近年、幼児から一般の方へのワークショップや、学校等へのアウトリーチも積極的に取り組み、表現活動と教育活動を同時に実現することを目指している。法政大学非常勤講師。2008年、文化庁新進芸術家海外留学研修員として半年間イタリアにて研修。財団法人地域創造「公共ホール現代ダンス活性化支援事業」登録アーティスト。